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テレワークでVPNが必要かどうかは、会社のシステムへどう接続するか、勤務先がどの方法を指定しているかで決まります。
会社からVPN接続を求められているなら、原則として会社指定のVPNを使ってください。VPNは、自宅・カフェ・出張先のPCと会社のVPNゲートウェイの間に暗号化された経路を作り、社内ネットワークや業務システムへ接続するための仕組みです。
一方で、クラウドサービスをHTTPSと多要素認証だけで利用し、勤務先がVPNを求めていない場合まで、個人向けVPNを会社PCへ導入する必要はありません。会社PCに個人契約のVPNを無断で入れると、規程違反や業務システムとの競合につながるおそれがあります。
本記事の検証レベルはE1です。E1とは、IPA・NIST・CISAなどの公的機関と各サービスの公式情報を確認し、テレワークVPNの仕組み、注意点、用途別の選び方を整理する段階です。当サイトで各社の法人VPNを実運用した評価ではありません。
30秒でわかる結論
- 会社がVPNを指定している:指定されたアプリ・端末・接続手順を使う
- 社内NASやファイルサーバーへ入りたい:リモートアクセスVPNを検討する
- クラウドサービスの許可IPをそろえたい:固定IP VPNを検討する
- 自宅PCやフリーWi-Fiで仕事をする:勤務先の端末・ネットワーク規程を優先し、VPNだけに頼らない
- 会社がVPNを指定していないクラウド業務:多要素認証、端末管理、HTTPS、OS更新が優先される場合もある
テレワークでVPNが必要な理由
VPN(Virtual Private Network)は、端末と会社のVPNゲートウェイ、またはVPNサービスのサーバーの間に暗号化された通信経路を作る技術です。テレワークで使う理由は、単に「自宅から働けるようにする」ためではありません。
通信を暗号化して盗み見のリスクを抑える
自宅・ホテル・カフェなどの回線を使うと、会社PCと業務システムの間の通信は社外ネットワークを通ります。VPNは、端末からVPNゲートウェイまでの区間を暗号化し、途中のネットワークで通信内容を読み取られるリスクを抑える役割を持ちます。
ただし、VPNは端末そのものを無害にする仕組みではありません。NISTは、VPNトンネルが端末とVPNゲートウェイの間を保護しても、端末内のデータやゲートウェイ以降の社内資源には別の対策が必要だと説明しています。
情報漏えいを防ぐ対策を重ねられる
会社のファイルや顧客情報を扱うなら、VPNだけでなく、画面ロック、ストレージ暗号化、多要素認証、端末更新、権限管理、バックアップを組み合わせる必要があります。
VPNはこれらの一部を代替するものではなく、通信経路を守る一層です。VPNの安全性と限界は、VPNは本当に安全?危険なVPNアプリの見分け方で詳しく解説しています。
社内ネットワークへ認証済みで接続できる
社内NAS、ファイルサーバー、オンプレミスの業務ソフトなどを外部から使う場合、インターネットへ無条件に公開するのではなく、認証済みの利用者だけがVPN経由で接続する構成が使われます。
アクセスできる範囲は、部署・利用者・端末ごとに必要最小限に絞ることが重要です。VPNへ接続しただけで社内のすべてにアクセスできる設計では、アカウント侵害時の影響も大きくなります。
会社がVPNを導入する理由
会社は、従業員の接続先を管理し、社外から業務資源へ安全に入る経路を用意するためにVPNを導入します。誰が、いつ、どの端末で接続したかを追跡できるログ、利用者ごとのアカウント、アクセス権の停止、IPアドレス制限なども、業務上の理由になります。
会社指定のVPNと個人向けVPNは役割が異なります。個人向けVPNに契約しても、会社の社内ネットワークへ入れるようにはなりません。
会社指定VPNと個人向けVPNの違い
| 項目 | 会社指定の業務VPN | 個人向けVPN |
|---|---|---|
| 主な目的 | 社内ネットワーク・業務資源への認証済みアクセス | インターネット通信の保護、IPアドレス変更など |
| 接続先 | 勤務先が管理するVPNゲートウェイ | VPN事業者のサーバー |
| 設定・利用規程 | 会社の情報システム部門や規程に従う | 個人がサービス規約の範囲で利用する |
| 会社PCへの導入 | 会社が許可・設定したものを使う | 無断で入れない |
| 主な管理項目 | 多要素認証、端末認証、権限、接続ログ | アカウント、利用端末、事業者のプライバシー方針 |
会社VPNがフルトンネルかスプリットトンネルかによって、Web通信のうち何が会社経由になるかは変わります。通信の扱いとログ方針は、就業規則や情報セキュリティ規程で確認しましょう。
テレワークのケース別|VPNは必要?
会社支給PCの場合
会社支給PCでは、勤務先が指定するVPN・リモートアクセス・端末管理ツールを使うのが原則です。VPNを切断したり、個人向けVPNを追加したりする前に、情報システム部門へ確認してください。
業務VPNがつながらないからといって、私物のVPNや無料VPNを代わりに使っても、社内システムへ接続できるわけではありません。会社の通信監視やアクセス制御と競合する可能性もあります。
自宅PCの場合
自宅PCで業務を認めるかは、会社の規程次第です。許可されている場合も、OS・ブラウザ・VPNアプリを更新し、家族とアカウントを共有しない、画面ロックを使う、業務データを個人クラウドへ保存しない、といった基本対策が必要です。
機密情報を扱う業務では、私物PCを使わせず、会社支給PCや仮想デスクトップへ限定する会社もあります。便利だからという理由で、端末やVPNの条件を自己判断で変えないようにしましょう。
フリーWi-Fi利用時
IPAは、公衆Wi-Fiを使う場合にファイル共有をオフにし、必要に応じて信頼できるVPNを利用するよう案内しています。フリーWi-Fiでは、勤務先が許可したVPNを有効にし、Wi-Fi名が正しいかを施設に確認します。
それでも、偽のログイン画面、のぞき見、端末のマルウェア、誤送信まではVPNで防げません。重要な作業はモバイル回線へ切り替える、または会社の安全な接続環境を使う方法も検討してください。
カフェで仕事をする場合
カフェでは、通信だけでなく画面ののぞき見、会話、置き忘れにも注意が必要です。周囲から見える位置で顧客情報や社内資料を開かない、離席時は必ずロックする、機密性の高い会議を避ける、といった物理的な対策も欠かせません。
VPNをオンにしているからといって、カフェでの業務が常に許可されるとは限りません。会社の場所・ネットワーク利用規程を優先してください。
海外出張
海外出張では、ホテルや空港など利用する回線が増えます。会社指定のVPNを使う前に、渡航先でのVPN利用に関する法令・規制、会社の海外接続ポリシー、認証手段を確認します。
国や地域によってはVPNの利用が制限されることがあります。出張中に必要な業務システムへ接続できるか、代替連絡手段を含めて出発前に情報システム部門と確認しましょう。
VPNが不要、または優先度が低いケース
VPNはテレワークの必須条件とは限りません。次の条件では、VPNより先に別の対策を整えるほうが合理的な場合があります。
- 業務がHTTPS対応のクラウドサービスだけで完結し、会社もVPNを指定していない
- 多要素認証、端末管理、条件付きアクセスなど、クラウドサービス側のアクセス制御を利用している
- 自宅の管理されたネットワークで、機密性の低い業務だけを行う
- 会社が仮想デスクトップやブラウザ分離など、別の安全な接続方式を指定している
ただし、VPN不要かどうかは従業員が一人で決めるものではありません。会社の方針や扱うデータによって必要な対策は変わります。HTTPSとVPNの役割の違いは、VPNはHTTPSだけでは不要?違い・安全性を解説も参考にしてください。
テレワーク向けVPNサービスを用途別に比較
ここで紹介する4サービスは、同じ用途ではありません。社内LANへ入りたいのか、外部クラウドに決まったIPからアクセスしたいのか、個人端末の通信保護を検討したいのかを先に分けてください。
| サービス | 主な用途 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|---|
| NordVPN | 個人・小規模でのインターネット通信保護 | 会社の許可を得た私物端末で、外出先の通信保護を検討する | 会社指定VPNや社内LAN接続の代替にはならない |
| だれリモVPN | 社内LANへのリモートアクセス | Windows PCからNAS・サーバー・プリンターなど社内資源へ入りたい | 対応端末や社内ネットワークの動作条件を事前に確認する |
| Glocal VPN(固定IP) | クラウドサービスへの固定IPアクセス | 社外からSaaS・クラウドの許可IPを統一したい | 社内LANへ入るためのリモートアクセス商品ではない |
| MillenVPN専用サーバー | 専用固定IP・専用VPNサーバー | 複数スタッフで専用IPを共有し、アクセス管理を整理したい | 最低契約期間、支払い条件、返金対象外の条件を確認する |
NordVPN|会社の許可がある私物端末の通信保護を検討する人向け
NordVPNは個人向けVPNです。公衆Wi-Fiなどで通信経路を保護する目的では候補になりますが、会社の社内ネットワークへ接続する会社VPNの代わりにはなりません。
会社PCで使う場合は、必ず勤務先の許可を得てください。料金・安全機能・対応端末は、NordVPNの評判・料金レビューで確認できます。
だれリモVPN|Windowsから社内LANへ入りたい企業向け
だれリモVPNは、専用機器を社内LANへ接続し、社外のWindows PCから社内ネットワークへアクセスするリモートアクセスVPNです。公式サイトでは、社内ルーターのポートを外部に開放しない方式、Windows対応、基本料金とユーザー料金の構成を案内しています。
NAS・サーバー・プリンターなど、社内に残る資源を使うテレワークで比較候補になります。対応端末と社内ネットワークの条件、専用機器の返却条件は、だれリモVPNのレビューで確認してください。
だれリモVPNの公式サイトで最新料金・サービス内容を確認する
Glocal VPN(固定IP)|クラウドの許可IPを統一したい企業向け
Glocal VPN(固定IP)は、VPN経由で同じ日本のグローバル固定IPを提示し、アクセス制限のあるクラウドや外部サービスへ接続するためのサービスです。テレワークで接続する場所や回線が変わっても、クラウド側へ登録するIPを安定させたい場合に向きます。
社内NASへ入る仕組みとは別なので、必要な接続先を混同しないことが大切です。専用IPと共有固定IPの違いを含めた比較は、Glocal VPN(固定IP)とMillenVPN専用サーバーの比較で解説しています。
Glocal VPN(固定IP)の公式サイトで最新料金・サービス内容を確認する
MillenVPN専用サーバー|専用IPと専用環境を使いたいチーム向け
MillenVPN専用サーバーは、専用固定IPと専用VPNサーバーを提供するサービスです。公式サイトでは、複数スタッフで固定IPを共有し、クラウドなどのIP制限があるサービスへのアクセスを管理する用途を案内しています。
個人向けVPNや社内LAN向けリモートアクセスとは契約条件・役割が異なります。最短契約期間、月額換算と一括払いの違い、返金条件を確認してから検討してください。詳細は、MillenVPN専用サーバーのレビューをご覧ください。
MillenVPN専用サーバーの公式サイトで最新料金・サービス内容を確認する
固定IPの仕組みを先に知りたい人は、固定IP VPNとは?メリット・デメリットとおすすめサービスを、法人の比較をしたい人は、法人向け固定IP VPN比較を確認してください。
会社PCでVPNを安全に使う8つのポイント
- 会社が指定したPC・VPN・リモートアクセスだけを使う
- VPNのID、パスワード、認証コードを共有しない
- OS、VPNアプリ、会社指定のセキュリティソフトを更新する
- 多要素認証を有効にし、端末を家族と共有しない
- 離席時は画面をロックし、業務データを私物クラウドやUSBへ保存しない
- フリーWi-Fiでは会社の規程に従い、ファイル共有をオフにする
- VPNが切れた、接続できないなどの異常を社内窓口へ報告する
- VPN障害時も、無断で代替アプリや公開共有リンクを使わない
よくある質問(FAQ)
テレワークにVPNは必要ですか?
会社が社内システムへの接続にVPNを指定している場合は必要です。クラウドサービスだけを使う場合でも、VPNの要否は会社の端末管理、アクセス制御、扱うデータによって変わります。自己判断せず、勤務先の指示を優先してください。
会社PCでVPNを切っても大丈夫?
会社が常時接続や業務中のVPN利用を指定しているなら、勝手に切らないでください。通信不良や利用サービスとの相性で一時停止が必要な場合も、先に社内窓口へ相談します。
VPNを使うと通信速度は遅くなる?
暗号化とVPNサーバー経由の通信が加わるため、速度や遅延に影響することがあります。体感は自宅回線、Wi-Fi、利用端末、VPNサーバー、混雑、業務アプリの条件で変わります。Web会議や大容量ファイルで困る場合は、会社指定の設定を変える前に社内窓口へ相談してください。
会社指定以外のVPNを使ってもいい?
許可がない限り使わないでください。個人向けVPNは会社VPNの代替ではなく、社内のアクセス制御や監視と競合することがあります。必要な理由と利用したい製品名を情報システム部門へ伝え、承認を得ましょう。
無料VPNは使ってもいい?
会社PCでは、有料・無料を問わず未承認のVPNを使わないでください。無料VPNは、運営元、収益源、データ取扱い、更新体制も含めて組織として評価が必要です。個人利用での注意点は、無料VPNおすすめと選び方で解説しています。
まとめ|テレワークVPNは「接続先」と「会社の規程」で選ぶ
テレワークのVPNは、会社PCから社内ネットワークや業務サービスへ安全に接続するための重要な手段です。ただし、VPNだけで情報漏えい、マルウェア、アカウント乗っ取りを防げるわけではありません。
- 社内LAN・NASへ入るなら、だれリモVPNのようなリモートアクセス型
- クラウドの許可IPを統一するなら、Glocal VPN(固定IP)やMillenVPN専用サーバーのような固定IP型
- 個人端末の通信保護を検討するなら、会社の許可を得たうえでNordVPNなどの個人向けVPN
まずは「どこへ接続したいのか」「会社は何を指定しているのか」を確認し、必要なVPNの種類を選びましょう。一般的なVPNを比較したい場合は、VPNおすすめの選び方も参考にしてください。

